据置型の小型撹拌機には、様々なタイプがあります。
小型撹拌機の種類、それぞれのメリット・デメリット、おすすめのユーザーについてまとめていきます。
据置型の小型撹拌機:主な種類
据置型の小型撹拌機は、主に駆動モータの種類によって、電気駆動とエア駆動に分かれます。
電気駆動の撹拌機は、さらに防爆エリアでは使用できない標準的な撹拌機と、防爆エリアで使用できる防爆撹拌機に分かれます。
標準撹拌機は最も広く使われるもので、モータ出力(パワー)やトルクによって様々なバリエーションがあります。
据置型の小型撹拌機一覧
据置型小型撹拌機を一覧にまとめると以下のようになります。
モータ | 攪拌機 | 主なメリット | 主なデメリット |
---|---|---|---|
電気駆動 | 汎用タイプ | 最もお手頃な価格 | 高粘度や大容量に対応できない |
〃 | ハイパワー 汎用タイプ | 低粘度~高粘度まで、容器の大きさも幅広く対応できる | 実用場面でのデメリットは少ない |
〃 | 高粘度タイプ | 高粘度に対応可能 | 標準撹拌機の中では価格が高い |
電気駆動(耐圧防爆) | 防爆撹拌機 | 防爆エリアでも安心・安全に使える | 非防爆に比べて高価になる |
エアー駆動 | エアモータ撹拌機 | 電気設備なしで使える 防爆エリアで使用可能 | エア設備も含めると最も高価になる |
さらに各種類ごとに詳細に見ていきます
汎用タイプ・ハイパワータイプの撹拌機
汎用タイプは、出力(トルク)、回転数の幅が広いので、幅広い用途に汎用的に対応できるようになっています。 汎用タイプよりもモータ出力が大きいハイパワータイプは、汎用タイプに比べて、より幅広い用途に対応できるようになっています。 どちらにしようか迷う場合は、ハイパワーにしておいた方が安心です。 |
メリット 構成がシンプルなので、値段がお手頃(10万円~20万円未満) デメリット 撹拌する条件によっては、対応できない可能性がある |
汎用タイプの撹拌機は、以下の方におすすめです。 環境条件や実験条件などに特殊な条件がない方 手軽に導入したい方 導入コストを安くおさえたい方 |
高粘度タイプの撹拌機
高粘度タイプは、高粘度溶液の撹拌を目的した出力の高いモータを採用している撹拌機です。 |
メリット 高粘度の液体を含めて、実験の幅を格段に広げられる デメリット 価格が高い(30万円以上するのが一般的) |
高粘度タイプの撹拌機は、以下の方におすすめです。 高粘度の液体を撹拌したい 1台で実験の幅を広げたい(回転制御付きの場合) |
防爆撹拌機
防爆撹拌機は、防爆エリアでも使えるようにした電気モータ駆動の撹拌機です。 |
メリット 防爆エリア(ゾーン1、ゾーン2)でも使える 他の解決手段(エアモータ駆動や特注対応)よりも安価にできる デメリット 非防爆よりは価格が高い |
防爆撹拌機は、以下の方におすすめです。 防爆エリアで非防爆の撹拌機を使ってしまう法令違反を避けたい 追加設備や特注などの導入コストをかけずに防爆対応したい 通常の撹拌機と同様に手軽に使えるようにしたい |
エアー駆動の小型撹拌機
エアモータ撹拌機は、電気を一切使用せずに使える撹拌機です。 撹拌機をエア供給設備に接続して、エアの力によって撹拌翼を回転させることができます。 |
メリット コンセントがない場所でも使える 電気駆動に比べて軽量にできる 防爆エリアでも使用可能 デメリット エア供給設備と合わせると高額になる 電気的な機能が持てない(トルクの出力や調整など) メンテナンスに手間がかかる 騒音が大きい |
エアモータ撹拌機は、以下の方におすすめです。 防爆エリア使用したい(エアー整備がすでにある) 電源がないところで使用したい |
次回へ小型攪拌機を使用するうえでの課題・用途別まとめに続きます。