塗膜・コーティング評価の最適解 — 鉛筆硬度試験の先にあるもの

鉛筆硬度試験は塗膜評価の入り口として広く使われていますが、「硬度」だけでは塗膜の品質を十分に評価することはできません。

この記事では、鉛筆硬度試験の限界を踏まえた上で、塗膜・コーティングを総合的に評価するためのアプローチと、それを1台で実現する試験機をご紹介します。

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鉛筆硬度試験だけでは不十分な理由

鉛筆硬度試験(JIS K 5600-5-4)は、塗膜の「引っかき硬度」を簡便に評価できる方法として、品質管理や受入検査の現場で広く利用されています。特別な装置がなくても実施でき、結果の判定もわかりやすいことが大きなメリットです。

しかし、実際の製品で求められる塗膜性能は「硬さ」だけではありません。

  • 耐摩耗性 — 繰り返しの摩擦に対して塗膜がどれだけ耐えるか
  • 耐傷付き性 — 鋭利な対象物による傷がどの程度つくか
  • 密着性 — 基材と塗膜の結合がどれだけ強いか
  • 表面滑り性 — 塗膜表面の摩擦係数がどの程度か

これらの性能は、鉛筆硬度試験では評価できません。自動車の外装塗装、スマートフォンのディスプレイコーティング、建築資材の表面処理など、実使用で求められる耐久性を評価するには、鉛筆硬度に加えて複数の試験を組み合わせた総合評価が必要です。

手動試験が抱える再現性の問題

鉛筆硬度試験をはじめとする手動の表面評価試験には、もう一つの本質的な課題があります。それは再現性です。

手動試験では、試験者の押し付ける力、角度、速度がそのまま結果に影響します。同じ塗膜に対して同じ硬度の鉛筆を使っても、試験者が異なれば結果が変わることは珍しくありません。

この「人によるばらつき」は、以下のような場面で問題になります。

  • サプライヤーと客先で試験結果が一致しない
  • ロット間の品質比較で微細な差を検出できない
  • 試験担当者の交代により評価基準がずれる
  • 海外拠点との品質データ共有で信頼性が問われる

機械式の試験機であれば、荷重・速度・ストロークを数値で設定し、毎回同じ条件で試験を実行できます。試験者が変わっても、拠点が変わっても、同じ結果を再現できること。これが機械式試験機を選ぶ最大の理由です。

1台で多彩な表面評価 — TYPE:38F / TYPE:38P

「鉛筆硬度も測りたいが、スチールウール試験や引掻試験も必要」「試験ごとに別の装置を購入するのはコスト的に難しい」——そのようなお悩みに応える試験機が、HEIDONのTYPE:38F(スチールウール耐久試験機)TYPE:38P(ハードコート評価試験機)です。

対応する試験規格と試験方法

TYPE:38F / 38Pは、測定子(試験治具)を交換するだけで以下の試験を実施できます。

  • 鉛筆硬度試験(JIS K 5600-5-4)— 塗膜の引っかき硬度評価
  • スチールウール耐久試験(JIS K 7317)— 繰り返し摩耗に対する耐久性評価
  • 引掻強度試験(ISO 12137)— 鋭利な針による引掻に対する耐性評価
  • ガーゼ摩耗試験 — ガーゼを用いた塗膜の摩耗評価
  • 消しゴム摩耗試験 — 印刷面・マーキングの耐摩耗性評価

すべての試験において、荷重・速度・往復回数をタッチパネルから設定でき、試験者による条件のばらつきを排除できます。

TYPE:38F と TYPE:38P の違い

TYPE:38FとTYPE:38Pは同じプラットフォームをベースとしていますが、それぞれ得意とする領域が異なります。

  • TYPE:38F(スチールウール耐久試験機) — スチールウールやガーゼを用いた耐久試験を中心に、引掻強度試験・鉛筆硬度試験にも対応。塗膜の耐摩耗性を幅広く評価したい場合に最適です。
  • TYPE:38P(ハードコート評価試験機) — タッチパネルやディスプレイなどのハードコート膜の評価に特化。スチールウール試験と引掻試験を組み合わせた総合評価に適しています。

どちらの機種も、基本性能と拡張性は同等です。用途に応じてお選びください。

TYPE:38F の詳細はこちら | TYPE:38P の詳細はこちら

荷重変換器オプションで摩擦係数の測定にも対応

TYPE:38F / 38Pは、オプションの荷重変換器を取り付けることで、摩擦係数の測定にも対応できます。

塗膜やコーティングの「滑りやすさ」は、触感・操作性・汚れの付きにくさに直結する重要な特性です。たとえば、スマートフォンのフィルム表面の指すべり、自動車内装材の触感評価、防汚コーティングの効果検証など、摩擦係数は幅広い分野で求められる測定項目です。

荷重変換器を後付けできるため、導入時は鉛筆硬度試験や摩耗試験から始め、必要に応じて摩擦係数測定を追加するという段階的な運用も可能です。試験機を買い替えることなく、測定能力を拡張できます。

また、専用のデータ解析ソフト「トライボソフト」(オプション)を併用すれば、測定データの記録・グラフ化・管理を効率的に行えます。

購入前に試せる — デモ機貸出・受託試験

「試験機を購入する前に、自社のサンプルで実際に試したい」というご要望に応えて、HEIDONでは以下のサービスをご用意しています。

デモ機貸出

実際の試験機を一定期間お貸し出しし、お客様の現場でお試しいただけます。自社のサンプル・自社の環境で試験できるため、導入後のイメージを具体的に確認できます。

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受託試験

「まずは測定結果だけ見たい」「試験機の購入はまだ検討段階」という場合には、受託試験をご利用ください。お客様のサンプルをお送りいただければ、HEIDONの試験室で測定を行い、結果をご報告いたします。

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まとめ

鉛筆硬度試験は塗膜評価の基本ですが、それだけで製品の品質を保証することはできません。耐摩耗性・耐傷付き性・滑り性といった実使用で求められる性能を評価するには、複数の試験方法を組み合わせた総合的なアプローチが必要です。

TYPE:38F / TYPE:38Pは、鉛筆硬度試験を含む多彩な表面評価試験を1台でこなせる試験機です。さらに荷重変換器オプションにより、将来的な摩擦係数測定への拡張にも対応できます。

塗膜・コーティングの評価でお困りのことがありましたら、摩擦摩耗試験機の専門メーカーであるHEIDONまでお気軽にご相談ください。

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